- ピルを服用しようか悩んでいる
- 自分がピルを飲めるかどうか知りたい
- ピルについて気をつけるべきことを知りたい

低用量ピルは、避妊薬ばかりでなく生理痛の緩和、ホルモンバランスによる体の不調の改善などに用いられています。
今ではオンラインピル処方と呼ばれる、病院に行かなくてもピルが自宅に届くシステムが便利と話題になっています。
手軽にピルが手に入るようになった一方で、少しリスクが見逃されがちな部分も。
今回は、ピルを飲む前に知っておきたいポイントについて解説します。
ピルって何?

主に卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類が含まれるホルモン剤です。
主な効果は排卵の抑制です。そのため、飲み忘れなければ高い避妊効果が期待できます。
さらにはホルモンバランスが整うため、PMSの改善や月経不順、月経困難症などの治療などにも用いられます。
ピルが処方されるまでの流れ

各種婦人科診察(問診票を含む)、必要に応じて血液検査や経膣エコー検査を行います。
病院によっても異なりますが、初回から3ヶ月間程度は経過観察のために1ヶ月毎に受診するのが一般的です。
オンライン処方の場合は、ビデオ通話やチャットで医師の診察を受けます。
その後問題なければ、自宅にピルを郵送してくれます。
初めてピルを内服する場合は、可能な限り実際の医療機関を受診することをおすすめします。
オンライン診察では経膣エコー、内診などの検査は当然実施できません。
あらゆる婦人科・内科疾患の可能性を否定した上で、ピルの内服を開始するのが望ましいでしょう。
ピルの禁忌

- 血栓症の既往がある
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 前兆のある偏頭痛経験あり
- 重度の糖尿病や肝臓病 …
詳しい問診項目については以下もご参照ください。
基本的なチェックリストが記載されています。
一番注意して欲しいこと

さて、先ほどお伝えした流れの中で、一番最初に出てきた問診票についてです。
問診票の項目には、必ず前兆を伴う片頭痛の有無を問う質問が記載されています。
ここで、よーーーーく思い出してください!
今まで生活してきた中で、チカチカ・ギザギザとした光が見えたり、視野の一部が欠損したりしたことはありませんか?
つつみ眼科クリニックHPより引用
これは閃輝暗点といい、片頭痛の前兆です。そして数分後に、ひどい頭痛が起こります。
これが片頭痛の典型的な症状と呼ばれています。

筆者も緊急用にスマトリプタンという薬を処方してもらっています!
低用量ピル最大のリスクは血栓症であり、このような症状がある患者に処方することは禁忌となっています。
なぜなら、狭くなった血管に血栓が詰まる危険性が高くなるからです。
また、喫煙者に関しても同じく血管収縮作用があるため、血栓症のリスクが高まります。
筆者も、前兆のある片頭痛を5〜6回経験しています。
婦人科医の診察を受けましたが、過去から現在に至るまでに1度でも症状があればピルの処方はできないと言われました。
医師によっては診断が異なる可能性もあるため、片頭痛に心当たりのある方は医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
問診で『あなたは片頭痛持ちですか?』と聞かれた場合、我慢できる程度や頻度の少ないものなら
いいえにチェックをつけがちですよね。
低用量ピルの処方に関わるものであれば、今一度よく思い出してみてください。
このリスクは問診でしか洗い出せないので、つい見逃されてしまいます。
脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症は、後遺症が残る可能性が極めて高く、若くても注意が必要です。
ピルを飲むとメリットが多いため、このようなデメリットを差し置いてでも内服したいと思われるかもしれません。
しかし、発症してからでは遅いのです。
生理痛やPMSを改善させるのはピルだけではありません。
漢方、食事療法、運動など、セルフケアできることもたくさんあります。
ぜひ、今一度ピルを安心して飲めるかどうかチェックしてみてくださいね。
